ユーザーストーリー管理にBacklogを活用。NECフィールディングが社内に広げる、プロジェクト推進の「楽しさ」と効率化

NECフィールディング株式会社

Backlog導入前の課題

・29年間稼働させてきた旧システムは、柔軟性に限界を迎えていた
・Excelベースでのプロジェクト管理では、スピーディな情報共有やタスク更新が困難だった

Backlog導入後の効果

・ユーザーストーリーや障害管理が一元化され、各課題の対応状況や経緯が明確になった
・直感的なUIや通知機能により、担当者間のコミュニケーションが円滑になった
・リモートワーク下でもスムーズなプロジェクト運営が実現した

ICT・デジタル機器の設計から運用、保守までをトータルサポートするNECフィールディング。同社は、顧客サービス管理システムの刷新プロジェクトにBacklogを活用し、情報の一元管理と見える化を実現しました。プロジェクトを見事に成功させたのみならず、社内でのBacklog活用も拡大させています。

リモートでもプロジェクトを円滑に進めるためには?

── まずは御社の事業内容をお聞かせください。

NECフィールディングは、ICT・デジタル機器の設計から構築、運用、保守までをトータルでサポートしています。メンテナンス対象機器は多岐にわたっており、NEC製品に限らず、コンビニのレジや銀行のATM、病院の電子カルテ、自治体のマイナンバー管理システム、医療・介護機器までさまざまです。

パートナーを含めると5,000名を超えるエンジニアが全国で活躍しており、高い対応力が我々の強みです。

NECフィールディング 川尻氏

NECフィールディング株式会社
経営システム統括部 マネージャー
川尻 一翔 氏

── Backlogの導入前は、どのような課題を感じられていましたか?

そもそものきっかけは、「保守作業支援システムの刷新」でした。コールセンターへの受付から記録、部品要求、カスタマーエンジニア(CE)の派遣、実績登録、請求処理への流し込みまで行うシステムを、スクラッチで29年間動かしてきたのですが、新規サービスの追加に時間がかかったり、顧客単位でデータを管理できなかったり、クラウドサービスとの連携が難しかったりと、限界が見えてきたのです。

そこで、Salesforceの顧客管理プラットフォーム"Service Cloud"と、現場作業を支援する"Field Service"を基盤として、新たな管理システム「CS-Force」を構築するプロジェクトを立ち上げたのです。このプロジェクト管理をきっかけに、Backlog活用が社内に広まっていきました。

── CS-Forceプロジェクトを進める上で、なぜBacklogを導入しようと思われたのでしょうか?

CS-Forceプロジェクトは2020年4月にキックオフしたのですが、ちょうどコロナ禍の最中で、キックオフの翌日に出社停止になってしまったのです。それまでは対面で打ち合わせをして、担当を割り振って、プロジェクトを進めていこうと考えていたものですから、のっけからつまずいてしまいました。

そんな折にBacklogのユーザーコミュニティである「JBUG」の運営メンバーの方からBacklogを紹介していただき、導入を決めました。

ユーザーストーリーを一元管理し、迅速なスクラム開発を実現

── 数あるタスク管理ツールの中で、Backlogを選ばれた決め手は何でしたか?

「ITに詳しくない業務部門でもよく使われている」ことが一番の決め手ですね。CS-Forceプロジェクトの関係者は業務側の方が多いので、誰にとっても使いやすいツールであるということは、とても重要でした。

また、CS-Forceプロジェクトは、コールセンターから保守部門へと、段階的に関係者が変わっていきます。とくにテストフェーズには人数が増加します。Backlogはユーザー単位の課金ではなく、いくらでもアカウントを増やせるため、流動的な対応が可能でした。

さらに、今回はスクラム開発で、ユーザーからのフィードバックを重視する方式を採ったのですが、この「ユーザーストーリー」の管理にBacklogが便利だと感じていました。

── 気づきや要求事項を仕様としてまとめたものが「ユーザーストーリー」ですね。具体的に、Backlogでどのようにユーザーストーリーを管理していたのか、教えて頂けますか?

まず、「この画面をこういう風にしたい」というユーザーストーリーを、現場からBacklogに入力してもらいます。実際にはもう少し専門的ですが、たとえば「予定情報が並んでいる画面で、仮押さえしたCEさんをアサインする機能の追加」といった件名で、課題を追加します。

課題の詳細欄には、提案した「背景」や「効果」、実装にかかる「コスト」、さらには実装しなかった場合はどう対応するか、実装完了とすべき条件は何か、この機能の前後の工程は何か、といったことが掲載されています。

Backlogに入力したユーザーストーリーのキャプチャ

Backlogに入力したユーザーストーリーのキャプチャ

Backlogの課題にユーザーストーリーを起票

そして「優先度判定会」で優先度を決めていき、高いものから開発に取りかかり、月に2回リリースしていくというのが、プロジェクトの主な流れでした。Backlogには「優先度」の項目を用意し、4桁の数字で管理できるようにしています。

実装した内容の説明や質疑応答なども、すべてBacklogで行いました。ユーザーストーリー1件ごとに、提案から対応まで、コミュニケーションの経緯が見える化されたことは、プロジェクトを円滑に進める原動力になったと思います。

NECフィールディング 平野氏

NECフィールディング株式会社
経営システム統括部 主任
平野 久美子 氏

Backlogがチームにもたらす、業務の「楽しさ」と効率化

── ユーザーストーリーには、かなり詳しい記載が必要だったのですね。現場の方々は入力を嫌がったりしませんでしたか?

それが、業務部門側でも、どんどん起票してくれたんです。会議で出たタスクを「誰が最初に起票するか競争」などが行われるくらいで、びっくりしました。BacklogはUIがとっつきやすく、効率的にプロジェクトを進められる「楽しさ」があったのだと思います。まさに「誰にとっても使いやすいツール」でした。

プロジェクトの段階ごとに人が入れ替わるため、Backlogの説明会を繰り返す必要はありましたが、それでもすぐに利用してもらうことができました。

また、Backlogはあえて「深い階層化はできない」仕組みになっています。階層化できると、どんどん情報が深く複雑になってしまうものですが、Backlogならば常にプロジェクト全体を見渡すことができます。ユーザーストーリーごとの管理などを含めて、スクラム開発との親和性は非常に高いと感じますね。

Backlog以外には、ビジュアルコラボレーションツールのCacooを、データ同士の関係性をあらわすER図作成のために利用していました。

Cacooで作成したER図のイメージ

ビジュアルコラボレーションツール「Cacoo」も活用

── 「仕事が楽しくなること」を目指している私たちにとって、とても嬉しい成果です。その他には、どのような活用が生まれていったのでしょうか?

まずは、バグや障害を記録・管理するためにもBacklogを活用するようになりました。当初はExcelで障害票をつけていたのですが、これもBacklogで管理した方がいいのでは? と感じたからです。

具体的には「カスタム属性*」の機能を使って、障害番号や検出工程、検出機能名などを細かく項目立てして、管理していきました。今、どのような障害があるのか、障害に対してどう考えてきたのか、といった状況や検討経緯がチームで共有できるので、とても助かりました。
*カスタム属性はプレミアムプラン以上で使用できます。

そして、CS-Forceプロジェクトは2024年12月に無事完了したのですが、それと合わせて、社内向けに「Backlog活用説明会」を開催しました。

──プロジェクトとは別に、Backlogの活用をPRしてくださったのですね。

我々もユーザーとして、Backlogはいろいろな場面で有効だと感じていましたから。また、プロジェクト中にクチコミで便利さが伝わっていたようで、他部署から「それ、どうやって使うんですか」という相談も受けていました。

2025年3月時点では、「ISMS認証」「組織改編対応」「部品調査管理」といったBacklogによるプロジェクトが、10以上走っています。職人的な管理をBacklog上での管理に移行したり、業務部門での仕事改善が進められています。

NECフィールディング 内田氏

NECフィールディング株式会社
経営システム統括部
内田 健太 氏

安心・安全な業務体制でBacklogの可能性を拓いていく

── Backlogによって、新たなコラボレーションがどんどん生まれていることに感動しています。最後に、今後の展望をお聞かせください。

他にも、BCPの手段として、CS-Forceが止まったときの一時的なバックアップにBacklogが使えるのではないか、という検討もしています。

こうしたBacklog活用が広まっているのは、とても喜ばしいのですが、「お客様もユーザーに招待したい」という、想定していなかった要望も受けています。セキュリティ面を確認しながら、ガバナンスを整えた上で、Backlogで今後もよいプロジェクトを推進していきます。

── 貴重なお話をありがとうございました!

※掲載内容は取材当時のものです。

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