売上150%を達成!「バックログスイーパー」の活躍で、営業グループにタスク管理の仕組みが浸透

Backlog導入前の課題
・営業戦略や意志決定が属人的で、チーム全体として目標管理が不透明だった
・営業メンバーが独自のノウハウを抱えたまま活動しており、連携や情報共有が不十分だった
・目標達成に向けて必要なタスクを管理するツールがなかった
Backlog導入後の効果
・営業戦略の見える化で、チームとして目標達成へ着実に前進できる体制が整った
・Backlogの活用が営業グループ全体に浸透し、ノウハウや営業施策が集約された
・5年間達成できなかった目標を上回り、売上が昨対150%まで伸びるなど、組織力強化による大きな成果を創出できた
企業・団体向けのユニフォーム販売事業を展開するユニフォームネクスト株式会社。近年はECサイトの売上を急速に伸ばしており、2017年、福井県に本社を置く企業としては、10年ぶりに上場を果たしました。
そんな同社が、さらなる発展を目指して立ち上げたのが「営業DXプロジェクト」です。2024年の最も素晴らしいプロジェクトを表彰する「Good Project Award 2024」にて、最優秀賞を獲得しました。はたしてユニフォームネクストは、Backlogをどのように営業グループに浸透させ、組織を変革し、そして大きな成果を獲得していったのでしょうか?同プロジェクトをリードし、バックログスイーパーとしての役割を担った高柳 卓門氏にお話を伺いました。
目次
営業グループが「チーム」として力を発揮するためには?
―― まずは「Good Project Award 2024」の受賞、おめでとうございます!とてもパッションを感じる発表でした。
ありがとうございます。熱意は、どのプレゼンターにも負けない自信がありました。
―― それではあらためて、御社の事業概要と営業グループの役割をお聞かせください。
もともと弊社は、福井県内を中心にユニフォーム販売を展開しており、営業手段もほとんどがフィールドセールスでした。それがECサイトに注力し、販路を拡大したことから売上が大きく伸びました。今ではECサイト経由の注文が、売上の9割を占めています。
しかし、ECサイトは5人程度の小規模な会社・団体をターゲットにしており、中堅・中小規模の企業に対しては、十分なアプローチができているとは言えません。そこで、ECサイトで接点があった見込み客に対して、営業グループが適切なフォローをしていければ、さらなる成長が見込める。そうした方向性があったのですが・・・
―― 売上拡大の方向性に対して、何か課題があったのでしょうか?
一番の課題は、「営業戦略や意志決定が、組織として明確になっていない」という点でした。
新たな顧客獲得に向けて、具体的に何を、誰が、いつまでにするのか。営業グループ全体の中長期的な目標が不透明なままに、毎日が過ぎていたんです。さらに、社員が各自の顧客へ独自のやり方で営業をかけていて、連携ができておらず属人的でした。配属されて半年間、「チームとしての力が発揮できていない」というもどかしさを感じていました。
そこで社長に直談判して、「Backlogを使った改革」を提案したところ、営業DXプロジェクトのメンバーとして動けるようになったのです。

ユニフォームネクスト株式会社
社長室 HRチーム リーダー 採用エージェント
営業部 営業グループ 営業企画チーム
高柳 卓門 氏
中長期タスクを「見失わない」ツールを導入し、メンバーに浸透させる
―― 入社1年目にして、すごい行動力ですね!Backlogのことは、どこで知ったのですか?
もともとユニフォームネクストでは、システムグループの一部の開発や保守にBacklogが使われていたものの、営業グループでは利用していませんでした。
営業DXプロジェクトの成功には、「中長期戦略をタスクに落とし込んで管理できるツール」が絶対に必要だと思いました。また、チャットでは会話がどんどん流れていってしまいますから、大きな目標を達成していくためにも、タスクに紐づけて会話を進められるような、チームワークマネジメントの質を高めるツールが欠かせないと感じていました。
そこで、システム部門にBacklogの使い方を教わり、自分のToDo管理をしてみたところ、とても直感的に使えて便利でした。これは営業グループに必要なものだと、Backlogを信じることができました。
―― 具体的に、Backlogをどのように営業グループ内に広めていったのでしょうか?
まずは、Backlog利用をスタートしたことを知ってもらうべく、オンラインのセールス施策の相談、顧客分析に必要な項目など、営業グループメンバーの意見を募集する課題を登録しました。そのリンクをチャットやメールで送って「コメントをください」と毎日お願いし、口答で意見を聞いて自分でシステムに打ち込む、といったアナログなことも実行しました。そうすることで、少しずつコメントが返ってくるようになり、業界知識や顧客情報など、営業戦略に必要なナレッジが課題ごとに集約されていったのです。
それから、営業グループの管理職にも使い方を伝えて、Backlogを使ってもらいました。Backlog上の情報はオープンで、管理職が担当する課題に対して他のメンバーが誰でもコメントできます。「管理職ってそもそも何をやってるの?」ということが明らかになっていくと、次第に、会議での議題の提案といった有益な情報が行き交うようになっていきました。
中長期戦略をタスク管理するようになった結果、経営会議の効率が大きく改善されるなど、良い影響が次々と生まれていきました。3、4か月経過した頃には、「Backlogを使ったやり方が一番だね」という考えが浸透し、半年後には営業グループ全員がBacklogを使うようになりました。さらに、ベテランメンバーによって営業ノウハウをまとめたWikiが自律的に作成されるまでになり、私のような若手はそのノウハウを学ぶことで、より良い営業ができるようになりました。

課題での情報共有を呼びかけていくことで、少しずつ営業戦略がBacklogに集約されるようになった
目標予算を超え、チームで「売上150%」を達成
―― 理想的なバックログスイーパー*(チーム全体のタスク管理をサポートし、チームの仕事を前進させる人)としての働きかけですね。とくに工夫した点はありますか?
「課題を登録する」という操作に戸惑う社員もいたので、最初は私が代わりに登録することもありました。とはいえ、登録するハードルを下げるために、できるだけ簡素な課題テンプレートを用意したこともあり、使い方はすぐに覚えてもらうことができました。
プロジェクトの進め方については、当初は上司との間で意見の違いもありました。しかし、社長やリーダー層を交えて話し合い、小さな実験を積み重ねていく中で、チーム内で「まずはやってみよう」という合意が形成されました。その結果、プロジェクトが加速したと感じています。
*ヌーラボでは、組織やチーム内のバックログ(残務・未処理の作業や案件)を常にキレイして、チームの仕事を前に進める人を「バックログスイーパー」と名づけ、その活動や功績をコミュニティやブログで紹介しています。

「課題を登録する」ハードルを下げるために、簡素な課題テンプレートを作成
―― 営業DXプロジェクトは、どのような成果を獲得したのでしょうか? その成果に対して、Backlogはどのような価値を提供しましたか?
おかげさまで、5年間達成できていなかった目標予算を越えて、チーム全員で昨対比150%の売上を達成できました。Backlogによって「チームで戦略を立て、意思決定を実行するプロジェクトマネジメントの仕組み」が実現できたことは非常に大きいです。
個々がもっている営業戦略やナレッジを集約してチームで共有する、そのチームワークマネジメントの中心にBacklogがあったからこそ目標を達成できたと思います。
「Backlogの人」の存在が、全社のBacklog浸透を加速する
―― プロジェクトの成功後、社内ではどのような反響がありましたか?
営業グループの盛り上がりを見て、他のグループ長からもBacklog活用の相談を受けるようになりました。社内では「Backlogの人」として見られています(笑)。2024年9月からは人事と兼務することになり、採用プロジェクトにおけるBacklog導入を進めています。
―― 最後に、今後の展望をお聞かせください。
私は、全社全部門にBacklogを導入したいと本気で思っています。「部門ごとにどのように運用設計をするか」といった課題はあるものの、推し進められる兆しはあります。目標達成のために戦略やタスクを見える化することは重要だと考えているので、社員と協力し、全部署にBacklog利用を広めていきたいです。
―― 熱意あふれるお話を、ありがとうございました!
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backlog.com※掲載内容は取材当時のものです。