東洋経済の広告制作進行にBacklogを活用。情報を集約・共有し、チーム全体の連携を強化

Backlog導入前の課題

・メール中心のコミュニケーションで、情報が属人化していた
・情報が共有されず閉鎖的だったため、メンバー同士での業務フォローが難しかった

Backlog導入後の効果

・Backlogに情報を集約し共有することで、チーム全体の連携が強化された
・社外を含むチームメンバーとのやり取りが可視化され、ノウハウを共有できるようになった
・社内教育や新しいメンバーへのオンボーディングの負荷が軽減された

「健全なる経済社会を牽引する」という企業理念のもと、2025年に創業130周年を迎える東洋経済新報社。明治期から続く歴史を持つ同社は、2017年にBacklogを全社で導入し、社内外の多くのプロジェクトに活用しています。

「Backlogは心強い相棒」と語る、ビジネスプロモーション局 ブランドスタジオ・メディア制作部の齋藤 萌氏に、導入の背景や具体的な活用事例について詳しくお話を伺いました。

Backlogを全社導入し、社内外プロジェクトに活用

―― 御社の事業概要をお聞かせください。

1895年に創業した弊社は、投資家やビジネスパーソンの方々にご愛読いただいている『週刊東洋経済』、『会社四季報』といった雑誌、「東洋経済オンライン」などのデジタルメディア、経済・ビジネス関連書籍の出版事業が主軸です。また、経済活動や学術研究などの幅広い分野におけるデータ事業も展開しており、多角的な視点からビジネスや金融に関するさまざまな情報を提供しています。

―― 齋藤さんのご担当業務について教えていただけますか?

ビジネスプロモーション局 メディア制作部に所属し、記事広告の企画立案・制作・編集を担当しています。主な業務はテキストを中心とした編集業務ですが、最近では動画制作にも携わるなど、業務の幅を広げています。

―― Backlogのご活用状況を教えてください。

弊社では2017年から全社でBacklogを導入し、社内外のプロジェクト管理に活用しています。特に、社外関係者との制作や開発案件の進行管理に重宝しており、Backlogユーザーの約半数が社外メンバーです。

東洋経済新報社 齋藤氏

ビジネスプロモーション局
ブランドスタジオ・メディア制作部
齋藤 萌 氏

リモートワークをきっかけに再認識した情報共有の重要性

―― Backlog導入のきっかけを教えていただけますか?

導入より前に、一部の部署では取引先のBacklogをゲストユーザーとして利用していたことがありました。その際のストレスフリーの使いやすさやUIの良さが決め手となり、自社での導入もスムーズに決まったと聞いています。弊社は社員の年齢層も幅広いため、誰でも簡単に使えて浸透しやすいツールである必要があったのです。

―― 使いやすさが導入の決め手になったのですね。導入当初から社内で広く活用されていたのでしょうか?

導入当初はBacklogの運用ルールも確立しておらず、最初から一気に活用が進んだわけではありません。メール中心のコミュニケーションが根強く残っており、CCに入っていなければプロジェクトの内容や進捗がわからない状況が続いていました。チャットツールも併用していましたが、チャットグループに入っていないメンバーはやり取りを見ることができず、情報が閉鎖的になっていたのです。

ただ、コロナ禍で全員がリモートワークになったことをきっかけに、「情報共有の重要性」に対する意識が一気に高まりました。新しいメンバーも増える中で、これまで属人化していた情報や、最新の情報にアクセスできないという問題が顕在化したのです。

―― リモートワークになったことが転機だったのですね。

私たちの働き方もガラッと変わりましたね。Backlogのような業務を可視化できるツールが必要だという意識が高まり、メール中心のコミュニケーションから、Backlogを活用したコミュニケーションにシフトしていきました。「情報共有」に対する考え方が変わったことで、私たちの中での“Backlogの重要性”が増したと感じています。

情報の一元化で実現した円滑なチーム連携

―― 齋藤さんの部署では、Backlogをどのようにご活用されているのでしょうか。

外部デザイナーとのやり取りを中心にBacklogを活用しています。誌面のデザインは外部デザイナーと協働し作り上げていくのですが、ラフ案から最終的な修正まで、Backlog上のタスクやコメント機能を活用し、デザイン案の共有やフィードバックを密に行っています。

近年では、東洋経済オンラインの記事広告も増加しており、紙媒体にはない公開日、URL、連載情報といった細かなタスク管理も増えてきています。従来はディレクターが1人で進捗管理を行うことが多かったのですが、Backlog導入後はチームメンバー全員がBacklog上で確認できるようになったため、ディレクターの負担が大幅に軽減されました。

Backlogによる見える化をきっかけに、進捗や互いの業務量を確認し合うようになるなど、チーム全体の連携が強化されたと感じています。

―― 情報の一元化と見える化が「チームワークマネジメント」につながった、ということですね。

広告制作業務は個人の裁量に委ねられる部分が多く、これまでは担当者の急なお休みへの対応に苦労することもありました。

Backlogを使うことで、セキュリティを守りつつ、過去の案件の経緯やノウハウを新しいメンバーに伝えるのもとても楽になりました。チームワークマネジメントの観点から見ても、誰もが情報をキャッチアップできる環境づくりはとても大切ですね。

東洋経済新報社 齋藤氏

「忘れても大丈夫」Backlogに起票して細かなタスクの抜け漏れを回避

―― Backlog導入によるメリットはありましたか?

案件を進める上では、Backlogの活用が前提になっていることがほとんどなので、Before/Afterの比較は難しいです。ただ、チームとして情報を蓄積していけることは大きなメリットだと感じています。

私たちの業務はクリエイティブな要素が強く、アウトプットは制作ディレクターによって異なります。アウトプットに至るまでの道筋もそれぞれです。それが、 Backlogに情報を集約することで、個々のベストプラクティスを可視化できるようになりました。「こういう流れでうまくいった」「このコミュニケーションで成功した」といったノウハウを各ディレクターがためていけるようになったこと、他のメンバーに案件を引き継ぐ際もスムーズに行えるようになったことは、とてもありがたい変化です。

個人的には、Backlogさえあれば「忘れても大丈夫」というのも、大きなメリットですね。ディレクターは多くの案件を同時並行で動かしているので、個別の留意事項などすべてを事細かに記憶するのはなかなか難しいのです。

Backlogに入力していれば、情報やタスクが抜け漏れすることはありません。マニュアルやナレッジといった情報もWiki機能を活用してまとめられますし、Backlogは本当に“心強い相棒”ですね。

―― 嬉しいお言葉をありがとうございます! チームで情報がオープンになり、情報共有が円滑になることが大きなメリットとのことですが、そのメリットを活かして社内教育も行われているそうですね。

新入社員や新しいメンバーのオンボーディングにも、Backlogを活用しています。Backlog上にある課題を1つ開くだけで、“一つの記事広告を作る最初の時点から、最後の校了をして印刷するまで”といった一連の編集業務を背景や経緯、手順やノウハウを含めて伝えることができます。伝える側と受け取る側、双方の負担が軽くなりました。

Backlogはコミュニケーションツールとしても有能ですね。テキストは、対面と比べるとニュアンスや感情がどうしても伝わりにくいですし、特にメールでは堅苦しい印象になりがちです。Backlogを介することで、より柔らかく、シンプルなコミュニケーションが可能になります。

また、Backlogに登録された個々のタスクに紐づいて、外部スタッフとのやり取りを含めたあらゆる情報が集約されているため、何についての会話なのか、前提の説明に時間を割かずに本題に入れます。そういった意味においても、便利なコミュニケーションツールだと感じています。

東洋経済新報社 齋藤氏

すべてのデータをBacklogに集約していきたい

―― 今後の展望をお聞かせください。

UIがシンプルで分かりやすいBacklogは、より人間味のあるやり取りができることも魅力の1つです。たとえば、Backlogのスター機能。こういった機能を積極的に活用することで、チーム内のコミュニケーションをさらに活性化できるのでは、と期待しています。

今後は、過去のクリエイティブやデータも含めた全データをBacklogに集約することで、データベース化もしたいです。引き続きすべてのプロジェクトでBacklogを活用していきたいですね。

―― 本日は貴重なお話をありがとうございました!

※掲載内容は取材当時のものです。

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