マルチベンダー体制での開発と保守運用を支える、Backlog活用のススメ
Backlog導入前の課題
・ベンダー間のコミュニケーションと情報共有
Backlog導入後の効果
・コミュニケーションの効率化と可視化を実現し、スムーズに開発を進行
・情報共有の手間を削減しながら、経緯や対応内容などのナレッジを蓄積
いわゆる「単発・短期」の人材紹介サービスをメインに展開している株式会社サンレディース。同社では新システムの開発にあたりBacklogを導入し、マルチベンダー体制でのスクラッチ開発という大きなプロジェクトを滞りなく進行しました。Backlogの導入から運用までを一手に担った、情報システム課の杉尾 真由美氏と経営企画室の児嶋 翔太氏に、具体的な活用方法や効果などを詳しく伺いました。
目次
簡単で便利な「仕事探し」に向けて、システム開発に着手
―― はじめに、御社の事業内容を教えてください。
当社は1986年大阪にて、女性による引越梱包サービスから始まった総合人材サービス企業です。現在は「人材紹介」と「業務請負」を中心にサービスを展開しています。
―― どういったお仕事で、どのような方がご利用になるのでしょうか。
イベント会場や期日前投票の受付作業、当社が請け負っている物流倉庫内での仕分け作業などを、一日単位で登録ユーザーの方々にご紹介しています。ご利用は10~20代の方々が最も多いですが、年齢層は幅広く70代の方々もご登録いただいています。
―― そのサービスを支える新システムを開発されたとお伺いしています。
単発アルバイト求人検索アプリ「ゴーゴーバイト」は求職者向けのアプリです。ご登録いただくとお仕事の検索から応募、給与の振込申請までをスマホで簡単に行えるようになっています。今回のプロジェクトは、アプリ開発をはじめ複数のシステムを含めた、サービス全体を支える新システムの開発でした。
マルチベンダー体制で臨んだ一大プロジェクトでBacklogを活用
―― 「ゴーゴーバイト」のシステム開発について詳しく教えてください。
開発するシステムは、「基幹システム」「求人応募用のアプリ(ゴーゴーバイト)」「スタッフさんへの連絡用Webシステム」「企業が求人情報を入力するためのWebシステム」の4つを包括する複雑な構造でした。そこで、2社のマルチベンダー体制をとることになりました。マルチベンダーでの進行は当社としても初の試みで、ベンダーからもコミュニケーション上で混乱が生じるのではないかと懸念の声が上がっていました。
―― Backlog導入には何かきっかけがあったのでしょうか。
最初のきっかけは、ベンダーからの薦めです。各社とのやり取りや情報共有をうまく進める方法を模索していたところ、ベンダーから「Backlogを使ってみてはどうか」と薦めていただいたのです。それに加えて、私が前職でBacklogを利用した経験があったことも大きいです。
―― 杉尾さんご自身も利用された経験があったのですね。
以前は受け身的に使う立場でしたが、使い勝手が良い印象を持っていました。今回は導入する立場として、主体的に活用し、みなさんにも使い方を周知していかなければいけない立場です。そのため、メンバー全員が使いやすく、わかりやすいツールが必要だと考えていました。ベンダーに薦めてもらって、「確かに、Backlogならいいかも!」と思い、プロジェクトの情報共有・連絡ツールにBacklogを利用することに決めました。
導入と管理の負荷を軽減。ベンダー間の連携や情報共有もスムーズに
―― 実際にご利用になって使い心地はいかがでしたか。
まず、導入時が楽でしたね。新しいプロジェクト管理ツールを導入するとなると、サーバーにインストールしたり、細かい設定が必要だったり、導入のハードルが高いイメージがありました。しかし、BacklogはSaaSなので*、Web上で簡単に利用開始することができます。導入時の手間の少なさは、クラウドサービスの大きなメリットだと感じました。
―― 導入後の設定や管理などについてはいかがでしたか?
利用するユーザーの増減に、柔軟に対応できる点も魅力でした。開発のピーク時には各社で入れ代わり立ち代わり、20~30名ほどのユーザーが参加していました。Backlogはユーザーの増減にも手間なく対応できるため、ストレスがまったくありませんでした。
―― 「マルチベンダー」という環境に対して、Backlogご利用のメリットはありましたか?
マルチベンダーで開発を行う場合、ベンダー同士の意思疎通が重要です。Backlogでは、状況を共有しながら進めてもらうことが可能なので、双方の認識に齟齬が生じません。私たちもBacklogを見るだけでベンダー間のやり取りが確認できますし、ベンダー両社が直接やり取りした内容が、ブラックボックス化することもありません。複数の会社で一つのプロジェクトに取り組む際、Backlogは最適なツールだと感じました。
―― 全体が俯瞰できるBacklogの透明性が奏功したのですね。開発期間中には、どのような効果がありましたか。
開発中に生じる問題の解決スピードが圧倒的に早いと感じました。すべての情報がBacklogに集約されているため、各ベンターとの情報共有がしやすく、その分対応も早くなります。過去の経緯やナレッジがBacklog内に蓄積されているので、履歴の確認も確実です。全期間に渡って、進捗も運用もとてもスムーズでした。
納品物のドキュメントなどもすべてBacklogに集約しているので、情報共有の手間も大幅に削減されました。
保守運用にもBacklogが大活躍。蓄積された情報は次回に活かせる
―― アプリがリリースされてから1年ほど経過していますが、現在Backlogはどのように利用されていますか。
改修依頼や、ちょっとした問い合わせなどが日々発生しています。リリースされてそれで終了というわけではなく、今でも毎日Backlog上で各ベンダーとのやり取りが行われています。
―― システム完成後もBacklogを活用いただいているのですね。
開発中より、リリース後の保守運用での出番の方が多いかもしれません。「Backlogがなくなったら困る」と思うほど大活躍です。
また、将来的にシステムの修正や更新があっても、開発時のナレッジがすべて蓄積されているので、その点でも安心です。Backlogは当初の想定以上に、私たちの頼もしい「相棒」になってくれました。
――開発から運用までの長い期間を通じてBacklogをご活用くださっている、大変嬉しいお話でした。本日は貴重なお話をありがとうございました。
* 自社サーバーにインストールして利用するオンプレミス型のBacklogエンタープライズも提供しております
※掲載内容は取材当時のものです。