異なる事業部で広がる活用の幅。Backlogは社外を巻き込むプロジェクト管理と情報共有に欠かせないツール
Backlog導入前の課題
・ほかのプロジェクト管理ツールを試したが、入力の負荷やUIのわかりにくさがあった
・Excelでの進捗管理やチャットによる作業依頼など、情報管理が煩雑になっていた
Backlog導入後の効果
・スケジュールの見通しが立てやすく、アサインメントの判断材料にもなる
・会話の履歴や欲しい情報をすぐに見つけられるようになり、情報共有にかかる時間を大幅に削減
「協創する喜びにあふれる人と組織と社会の発展に貢献する」をミッションに掲げ、大企業を中心にDX・デジタル化の変革を支援する株式会社ドリーム・アーツ。
同社では2017年頃よりBacklogを導入し、現在はさまざまな事業部や拠点で幅広く活用いただいています。同社の井上様と清水様に、それぞれの担当業務におけるBacklogの利用方法と、活用する中で感じるメリットを伺いました。
目次
クラウド製品の開発やITコンサル事業のさまざまな業務でBacklogを活用
—— まずは御社の事業内容を教えてください。
ドリーム・アーツは、企業内における情報共有・コミュニケーション分野に特化したクラウド製品の企画・開発や、ITコンサルティングなどを手がける会社です。
従業員数が数千、数万名規模の大企業を主な対象として、変化の激しいビジネス環境に対応するための業務変革・マインドセット醸成に向けた支援を行っています。IT部門に限らず、あらゆる社員の方が自らデジタルを活用できるようになる「デジタルの民主化」を実現すべく、自社サービスを提供しています。
主な提供サービスは、大企業向け業務デジタル化クラウド「SmartDB(スマートデービー)」、多店舗オペレーション改革を支援する「Shopらん(ショップラン)」、大企業の働き方を変えるビジネスコックピット「InsuiteX(インスイートエックス)」です。
—— 複数の部門でBacklogをご利用いただいているということですが。
すべての部署で全社員が利用している、という訳ではないのですが、社内のやり取りやお客様を含めた開発プロジェクトなど、現在は全部で20前後のプロジェクトが動いています。プロダクト導入先であるお客様が契約されているBacklogでやり取りをするプロジェクトもありますね。
プロダクト開発のスケジュールやメンバータスクをBacklogで管理
—— お二人の部門におけるBacklogの活用状況をお伺いします。まず、井上さんの担当業務についてお聞かせください。
チェーンストアにおける本部と店舗のコミュニケーション課題を解決するツール「Shopらん」の開発リーダーを務めています。「Shopらん」事業部は、現在10名程度のメンバーが所属し、常に複数の開発案件が並行で動いています。それらの業務の進捗・タスク管理にBacklogを活用中です。
—— 具体的に、どのように開発案件を管理しているのでしょうか?
「Shopらん」では、四半期ごとに取り組む開発作業やスケジュールを決めています。そのため、まずは期間ごとに課題を起票。その中で、週ごとにリリースする案件を切り出して子課題として登録し、メンバー間でタスクを分けるようにしています。
また、大きな機能開発については単独で切り出して課題を作成することもあります。たとえば、以前にプロダクト戦略の一環で、モバイル画面で使える機能を拡張するプロジェクトに取り組みました。当時はこのプロジェクトを一つの課題として起票し、プロジェクト全体の進捗管理をBacklogで行いつつ、GitHubのプロジェクトでさらに細かい粒度の開発タスクを管理する、といった形で進めていったんです。
GitHubには、今すぐ取り掛からなくてもよい優先順位が低めのものも含めて、すべてのイシューをリストアップしています。そのうち、着手が決まった案件をBacklog上に掲載するというルールを定めました。加えて、社内でコミュニケーションツールとして活用しているTeamsとも連携。Backlog上でコメントが投稿された際には、通知が来る設定にすることで見逃しを防ぐ工夫もしています。
見やすいガントチャートで全体の進捗を把握
—— Backlogを利用していて、どのような点が便利だと感じますか?<
ガントチャート機能が見やすく、業務全体の進捗を把握するのに重宝しています。
担当者別にスケジュールを表示できるので、各メンバーの抱えるタスク量が一目でわかるのがポイントです。「このメンバーは2週間後に手が空きそうだから、次はこのタスクをお願いできそうだ」と、アサインの判断材料になり、スケジュールの見通しが立てやすくなりました。
メンバー視点では、自分たちがどのタスクにどのくらい時間をかけているか、次にやるべきことは何かが明確になるといったメリットもあるんです。
—— マネジメントを行う井上さんと実務を担当するメンバーの方々、それぞれの立場からメリットを感じていただいているのですね。
ほかのプロジェクト管理ツールを試してみたこともありました。ですが、不要だと感じる機能や項目が多く入力に手間がかかってしまう、全体の画面表示もパッと見てわかりにくいといった課題感がありました。
2017年頃よりBacklogを使い始めてからは、開発チームのメンバー全員が快適に利用できています。シンプルで親しみやすい色使いやデザインで、とても見やすいUIになっているからだと思います。
タスクの見える化で、カスタマーサクセス業務の優先順位と期限が明確に
—— 続いて、清水さんの担当業務における活用場面を教えてください。
私が所属するのは、「SmartDB(スマートデービー)」というノーコード開発プラットフォームを提供する事業部門です。私はカスタマーサクセスとして、お客様のデジタル利活用を促進するために、システム導入後、初期設定や活用スキル、運用のノウハウなどを伝える役割を担っています。業務の中で発生する、お客様や協力会社とのやり取りにBacklogを活用中です。
井上の部署と同様に、2017年頃からこちらの事業部でもBacklogの利用を開始しました。
それまで当社では、お客様との情報共有も開発もオンプレミス環境で行うケースが大半でした。当時はセキュリティの関係上、クラウド環境を使用できない企業が多かったためです。進捗管理表や報告資料などはExcelで作成し、受け渡していたのですが、関係者の誰かが更新を重ねるたびにバージョン管理が難しくなるという課題を抱えていました。
その状態から、プロジェクト管理にBacklogの活用を提案する取り組みが始まったのです。最近では、クラウドやSaaSの製品を利用する大企業が増えたことから、提案から導入の流れもスムーズになったと感じます。
複数の会社が関わるプロジェクトにおけるBacklog活用のメリット
—— Backlogの活用で、お客様とのやり取りがスムーズになった事例があればお聞かせください。
お客様と協力会社の3社が関わる長期プロジェクトを途中から引き継いだ担当案件では、Backlogが大いに役立ちました。
プロジェクト内ではすでにBacklogを使っていたものの、別のチャットツールで急な依頼が飛んでくることもあり、依頼内容や作業履歴が流れていってしまうのが悩みでした。少人数のチーム内であればすべての会話を把握することも可能ですが、会社をまたいで関係者が増えれば増えるほど、情報管理の難易度は上がってしまうんですよね。
そのような状況下では、本来は対応が必要なタスクの所在も曖昧になってしまいます。いつまでに誰が何をするべきなのか、何のためにその作業を行う必要があるのか、誰も認識できていないという状態に陥っていました。
そこで、会社間の作業依頼はすべてBacklogに集約することとルールを決めました。お客様や協力会社からの依頼や相談は、必ずBacklog上に課題として起票をしていただき、社内でバグ・障害・改善要望のカテゴリー分けと優先順位付けを行い、タスクを整理していきました。
その場での解決が難しく中長期的に取り組むべき課題や検討が必要な点など、重要な内容はフロー情報として扱うべきではありません。Backlogの活用によって、必要な情報をストックしてタスクに落とし込んでいく仕組みが構築できたと感じています。
—— 会社間の情報共有や進捗管理の体制が整ったことで、感じられた変化はありますか?
Excelとチャットツールで進捗管理や情報共有をしていた時期に比べて、コミュニケーションにかける時間が半分以下になりました。Backlog上では、会話の履歴や欲しい情報をいつでもすぐに見つけられます。
また、プロジェクト全体の進行もより円滑になりました。すべてのタスクが可視化され、それぞれの優先度や期限、担当者が明確になったのが大きな要因です。
一つのタスクを実行する中では、お客様に確認いただいたり、フィードバックを受けて社内で再対応したりと、会社間でタスクのボールが行き来する場面がよくあります。そんなときも、今はどちらが何をするべきなのかが一目瞭然になりました。
マニュアル共有やお客様への情報伝達、さらに広がるBacklogの活用
—— そのほかの活用方法もあれば伺いたいです。
広島本社では、オフィス内の施設や設備に関する管理方法などをBacklogのWiki上に共有しています。Wikiにマニュアルを書く文化が浸透しているようですね。
また、「SmartDB」の事業部では、朝会やお客様との打ち合わせの議事録、顧客情報などもWikiで記録しています。とくに、顧客情報はトラブル発生時において非常に重要です。お客様ごとの仕様や設定、リリースにあたっての対応・修正履歴をまとめて残しておくことで、万が一問題や障害が発生したときにも経緯や原因にたどり着きやすくなります。そのWiki上には障害対応した課題へのリンクを貼っておけるので便利です。
それから、お客様に開発状況やリリース情報を報告する際には、開発作業として起票した課題にマイルストーンを設定すると表示される「リリースノート」を活用しています。
—— さまざまな場面で活用いただいているのですね。
おもしろい話では、業務を通じてBacklogを知った社員が、家庭内のスケジュール管理に個人利用していると聞いたこともあります。その社員は、お子さんが夏休みに取り組む宿題の進捗管理を行っているそうですよ。活用の幅は無限大だと感じます。
今後は、お客様とのやり取りにおいてよりスムーズにBacklogを活用していけたらと考えています。当社のように「プロジェクト管理をするならBacklogを使うのが当たり前」という認知が、社外でもさらに広まっていくことを期待しています。
——貴重なお話をありがとうございました!
※掲載内容は取材当時のものです。