Backlogエンタープライズ 2.2.0
インストールガイド

はじめに

このガイドでは、Dockerを利用してBacklogエンタープライズ Ver.2をインストールする方法をご案内します。
インストールを開始する前に、サーバーや関連ソフトウェアなどがシステム要件を満たしていることをご確認ください。

システム要件

サーバー

ハードウェア

仕様
メモリ 16GB
ハードディスク 30GB
Backlogに保存したいデータ量やファイル、リポジトリサイズ等に応じて増量してください。
CPU 2.4GHz, 4core

OS

Dockerが対応しているOS
(https://docs.docker.com/engine/install/)

ソフトウェア

AWS CLI (Command Line Interface)

バージョン2.x

Docker

バージョン20.10.0以上

ミドルウェア

データベース

MySQL 5.7
MySQL 8.0

SMTPサーバー

SMTP認証なしでメールを送信できるSMTPサーバー

サービス利用要件

ウェブブラウザー

  • Windows
    • Microsoft Edge最新版
    • Mozilla Firefox最新版
    • Google Chrome最新版
  • Mac OSXの場合
    • Apple Safari最新版
    • Mozilla Firefox最新版
    • Google Chrome最新版

作業手順

事前準備

Backlogをインストールするために必要なものを用意します。
ここではLinux環境へのインストールを例として記述します。

SSL証明書を用意

Backlogでは通信にHTTPSを使用します。あらかじめ、サーバーに配置する

  • SSL証明書
  • 秘密鍵ファイル

をご用意ください。

AWS CLIをインストール

AWS CLIのインストーラーをダウンロード、インストールします。

curl "https://awscli.amazonaws.com/awscli-exe-linux-x86_64.zip" -o "awscliv2.zip"
unzip awscliv2.zip
sudo ./aws/install

AWS CLIのインストールに関する詳細は以下のAWS公式ガイドをご覧ください。
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/cli/latest/userguide/cli-chap-getting-started.html

Dockerをインストール

yumリポジトリを追加して、Dockerをインストールします。

sudo yum install -y yum-utils
sudo yum-config-manager \
    --add-repo \
    https://download.docker.com/linux/centos/docker-ce.repo
sudo yum install docker-ce docker-ce-cli containerd.io docker-buildx-plugin docker-compose-plugin

Dockerを自動起動するよう設定します。

sudo systemctl enable docker

Dockerを起動します。

sudo systemctl start docker

Docker Composeをインストールします。

sudo curl -L https://github.com/docker/compose/releases/download/v2.18.1/docker-compose-linux-x86_64 \
    -o /usr/local/bin/docker-compose
sudo chmod +x /usr/local/bin/docker-compose

Dockerのインストールに関する詳細は、詳しくは以下のサイトもご覧ください。

LinuxでDockerを利用する場合
Amazon Linux 2でDockerを利用する場合

データベース(MySQL)を用意

Backlogのデータを保存するデータベース(MySQL)を用意します。
Amazon RDSなどのIaaSを利用したり、Backlogのインストール先と同じサーバーなど、任意のサーバーにインストールしたものを利用できます。
my.cnfには以下の設定を追加してください。

MySQL 8.0の場合
[mysqld]
sql_mode="NO_ENGINE_SUBSTITUTION"
default_authentication_plugin=mysql_native_password
MySQL 5.7の場合
[mysqld]
max_allowed_packet = 16M
character-set-server=utf8mb4
sql_mode = "NO_ENGINE_SUBSTITUTION"

[mysql]
default-character-set=utf8mb4

[client]
default-character-set=utf8mb4

SMTPサーバーを用意

Backlogからメールを送信するためのSMTPサーバーを用意します。
SMTP認証なしでメールを送信できるSendmail、Postfixなど、Red Hat Enterprise LinuxやCentOSに標準でインストールされるSMTPサーバーが利用できます。

Backlogをインストール

次の手順でBacklogをインストールします。

  1. データベースを作成
  2. SSL証明書を配置
  3. 環境設定ツールを起動
  4. Backlogを起動

稼働環境の設定

データベースを作成

データベースサーバーにBacklog用のデータベースとデータベースユーザーを作成してください。

推奨値
データベース名 backlog
データベースユーザー名 backlog

データベース名、ユーザー名は任意の値を設定できます。

SSL証明書を配置

SSL証明書と秘密鍵をサーバー上の任意のディレクトリに配置します。

mkdir <任意のディレクトリ>
cp <SSL証明書> <任意のディレクトリ>/crt.pem
cp <秘密鍵> <任意のディレクトリ>/key.pem

環境設定ツールを起動

まず環境設定ツールのDockerイメージをダウンロードします。
エンタープライズ契約管理サイトに記載されたAWS_ACCESS_KEY_ID、AWS_SECRET_ACCESS_KEYを環境変数に設定してください。

export AWS_ACCESS_KEY_ID="XXXX"
export AWS_SECRET_ACCESS_KEY="XXXX"

Dockerにログインします。

aws ecr get-login-password --region ap-northeast-1 | \
    docker login --username AWS --password-stdin 019623933850.dkr.ecr.ap-northeast-1.amazonaws.com

ログインできたら、インストール先のディレクトリにて環境設定ツールを起動します。
下記ではインストール先のディレクトリをbacklog-enterpriseとします。

mkdir backlog-enterprise
cd backlog-enterprise
docker run --rm -it -v $PWD:/work -v $PWD/data:/data -e LANG="ja_JP.UTF-8" \
    019623933850.dkr.ecr.ap-northeast-1.amazonaws.com/enterprise-bootstrap:2.2.0

対話形式で8つの項目を設定します。Backlogが稼働する環境に応じて設定してください。
特に以下のことに注意してください。

データベースサーバーのホスト名を入力してください。
[例] backlog-db.example.com, 192.168.0.11
> 

Backlogをインストールしたサーバーと同じ環境のデータベースサーバーを使用する場合は、localhostや127.0.0.1の代わりに10.254.249.1を設定してください。

Backlogエンタープライズのデータベース名を入力してください。
デフォルト値: backlog
> backlog

データベース接続ユーザーのユーザー名を入力してください。
デフォルト値: backlog
> backlog

データベース接続ユーザーのパスワードを入力してください。
>

データベースを作成したデータベースの情報を入力してください。

メール送信に使うSMTPサーバーのホスト名を入力してください。環境変数も使えます。
[例] backlog-smtp.example.com, 192.168.0.12
> 

SMTPサーバーを用意で用意したサーバーの情報を入力してください。Backlogをインストールしたサーバーと同じ環境のSMTPサーバーを使用する場合は、localhostや127.0.0.1の代わりに10.254.249.1を設定してください。

タイムゾーン名を入力してください。
[例] Asia/Tokyo, America/New_York, Europe/London
> 

タイムゾーン名はデータベースサーバーやSMTPサーバーなど、他のミドルウェアのタイムゾーンと揃えてください。

SSL証明書を格納しているディレクトリを入力してください。
> 

SSL証明書を配置したディレクトリを”絶対パス”で入力してください。
以上でインストールは完了です。

Backlogを起動

以下でBacklogを起動します。

docker-compose up -d

停止する際は以下を実行します。

docker-compose down

Backlog初期設定

スペース情報の入力

Backlogを起動したら、まず初期設定をします。初期設定では、ライセンスキーや管理者情報を登録します。
次の初期設定用URLにアクセスしてください。

https://ホスト名/backlog/Setup.action

ヌーラボの利用規約を必ずお読みになり、「利用規約に同意する」にチェックしてください。

Backlog 初期設定ページのスクリーンショット。「Backlogへようこそ!」という見出しの下に説明文と「利用規約に同意する」のチェックボックス、利用規約へのリンクがある。チェックボックスは空欄になっており、次のステップに進むためのボタン「スペース情報の入力へ進む」がグレーアウトされている

スペース情報の入力

Backlog 初期設定ページのスクリーンショット。「スペース情報の入力」という見出しの下にスペース名、スペースURL、タイムゾーン、ライセンスキーの入力欄がある。

Backlogのスペース名、スペースURL、ライセンスキーを設定します。

  • 「スペース名」
    • ログイン画面やダッシュボードの上部に表示される、Backlog全体を指す名称を設定します。
  • 「スペースURL」
    • BacklogにアクセスするためのURLです。課題の通知メールなどに記載するURLはこの設定に基づいて作成します。
  • 「ライセンスキー」

管理者ユーザー情報の入力

Backlog 初期設定ページのスクリーンショット。「管理者ユーザー情報の入力」という見出しの下にユーザーID、ハンドルネーム、メールアドレス、パスワードの入力欄がある。

管理者ユーザー(スペースオーナー)の情報を入力します。
スペースオーナーは通常の管理者としての役割のほか、次の機能を利用できます。

  • アクセス制限の編集
  • ライセンスキーの変更
  • スペースオーナーの変更

スペース全体を管理する重要なユーザーなので、メールアドレス等に間違いのないようご注意ください。
利用できる機能の詳細はスペースオーナーガイドをご覧ください。

設定完了

Backlog 初期設定ページのスクリーンショット。「設定内容の確認」という見出しの下に、これまでに入力したスペース情報、管理者ユーザー情報、お客様のご利用ライセンス情報が掲載されている。ページ最下部に登録ボタンがある。

設定内容・ライセンス情報を確認して「登録」をクリックしてください。

Backlog 初期設定ページのスクリーンショット。「おめでとうございます!初期設定が完了しました。」という見出しがある。

この画面が表示されれば、設定は完了です。
数秒後、自動的にBacklogのログイン画面に移動します。

初期設定が終わったら

  • Backlogの詳しい使い方については、使い方ガイドをご覧ください。
  • サーバーの運用、メンテナンスについては、運用ガイドをご覧ください。

商標について

  • MySQLとJavaは、Oracle Corporation及びその子会社、関連会社の米国及びその他の国における登録商標です。文中の社名、商品名等は各社の商標または登録商標である場合があります。
  • Dockerは、米国及びその他の国におけるDocker, Inc.の商標または登録商標です。
  • Amazon Web Services、アマゾンウェブサービス、AWS、AWS CLI、AWSコマンドラインインターフェースは、米国その他の諸国における、Amazon.com, Inc. またはその関連会社の商標です。
  • Linuxは、米国およびその他の国におけるLinus Torvaldsの登録商標です。
  • Red Hat Enterprise Linuxは、米国およびその他の国におけるRed Hat, Inc.の登録商標です。
  • その他記載されている会社名および商品名は各社の登録商標または商標です。